【運動嫌い必見】血圧を下げるのに効果的で簡単な運動を紹介

血圧を下げて健康になりたいと考えていませんか?
このコラムは下記のように運動で血圧を下げたい方に向けて書きました。

・年を重ねて血圧が上がったため、運動を始めたい
・運動したいが、スポーツをする体力や時間がない
・食事の管理だけでなく運動が必要だと感じている

運動習慣を身につけて高血圧の予防・改善をしたいと思う方が「ジムに行くのが面倒」「仕事後に走りに行く体力がない」と挫折してしまうことは非常に多いです。

この記事では過去の研究結果や厚生労働省のホームページの情報を基に「血圧を下げるのに効果的な運動」や「運動を続ける工夫」をまとめました。

運動が嫌いな方・体力に自信がない方でも日常生活に取り入れやすい運動方法を下記の3つに分類して紹介します。

①有酸素運動(生活の一部にする)
②スマートフォンの活用
③家庭用ゲーム機の活用


この記事を読めば運動が嫌いな方・体力に自信がない方でも血圧を下げるのに効果的な運動を続けることができます。
運動習慣は本当に血圧を下げるのでしょうか。疑問を持っている方も多いと思いますので、運動習慣がない人が運動を続けて血圧が下がるのか検証した病院での実験をご紹介します。

特別な運動習慣のない高血圧症患者の女性が週2回、運動時間90〜120分の病院内監視型運動療法(病院内での運動)を4カ月間にわたって行いました。

一般に週3〜5回の運動が望ましいとされていることから、週2〜3回は自宅で自己統制的運動(病院外での運動)を実施するよう指示しました。

◇実験概要
対象者 特別な運動習慣のない高血圧症患者の女性18名
運動項目 自転車、速歩、軽球技など
運動頻度 週4~5回

◇4カ月の運動プログラム実施前後の高血圧症患者の血圧の変化


本態性高血圧症女性に対する運動療法の血圧および活力年齢への効果

上記のグラフから4カ月の運動習慣で高血圧症患者の収縮期血圧・拡張期血圧がともに約10mmHgずつ下がったことがわかります。個人差はありますが、運動習慣は血圧を下げるのに効果的だといえます。

これから血圧を下げたい方に取り入れていただきたい運動方法3つを体験談を交えて紹介します。

①有酸素運動(生活の一部にする)
②スマートフォンの活用
③家庭用ゲーム機の活用

血圧を下げるためには運動習慣をつけることが重要です。どれも日常生活に取り入れやすく、継続しやすいものばかりなのでぜひ実際にやってみてください。
厚生労働省は運動療法としてウォーキング(速歩)・ステップ運動・スロージョギング・ランニングなどの有酸素運動を1回につき少なくとも10分以上持続し、合計して1日40分以上実施することを推奨しています。
厚生労働省 e-ヘルスネット

毎日40分運動する時間を確保しようと思うと難しいかもしれません。しかし、

・駅やビルでエスカレーターではなく階段を使う
・バスや電車を1駅手前で降りて歩く
・晴れている日は車ではなく自転車を使う


など日常生活の移動手段に運動を取り入れることができれば運動を無理なく継続できます。実際に筆者もこれらの方法で通勤中の運動量を増やしています。

この他にも「掃除機をかける」「洗車をする」「草むしりをする」などもからだを動かす機会になります。

厚生労働省はアクティブガイドを作り、「今より10分多くからだを動かして、健康寿命を伸ばそう」という指針を発表しています。日常生活の中でからだを動かす機会を増やす方法が紹介されていますので参考にしてみてください。
厚生労働省 健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド)

また、食生活の改善も大切です。お酒や甘いジュースをたくさん飲んでしまうと運動した効果が半減してしまいます。こちらの記事では「高血圧を下げるのに効果的な飲み物3選!」を紹介していますので、参考にしてください。
高血圧を下げるのに効果的な飲み物3選!
近年、位置情報を利用して遊ぶスマホアプリが増えています。それらを使うことで気軽に楽しく歩くことができるかもしれません。無料でダウンロードできる人気の位置情報ゲームを3つご紹介します。

・ポケモンGO
・ドラゴンクエストウォーク
・ピクミンブルーム
誰しも一度は聞いたことがあるアプリなのではないでしょうか。

現実の地図を基にしたフィールドが画面上に表示され、場所や時間によって様々なポケモンが現れて捕まえることができます。歩く距離に応じてゲームが進んでいくため、日常生活で歩く機会を増やすことができます。

健康診断で運動するように言われた知り合いの50代の夫婦が2人でポケモンGOを始め、見事減量に成功していました。ゲーム中の画像を共有してもらいましたので紹介します。


元々ポケモンに詳しくない人も楽しめるアプリだそうです。運動のきっかけとして始めてみるのもいいかもしれません。
Pokémon GO 公式サイト
クエストを選んで目的地を設定します。目的地まで向かう道中でモンスターと戦ったり、新しいキャラクターと出会いながら、冒険を進めていきます。

タニタ監修の「あるくんですW」というライフログ機能がついています。自分の身長・体重・年齢・性別を登録することによって消費カロリーに合わせたおすすめメニューを紹介してくれます。

筆者もドラクエウォークを3年以上やっています。ゲームの様子をスクリーンショットしました。


キャラクターのレベル上げや、アイテムやゴールドの獲得のために1日10,000万歩(7〜8キロ)を歩くようになりました。
たくさん歩くことで冒険を進められるので、楽しみながら目標歩数を達成できます。
ドラゴンクエストウォーク 公式サイト
ピクミンと共に散歩をして花びらを集めます。集めた花びらの枚数に応じた時間、散歩している道に花を咲かせることができます。

植えた花は自分からだけでなく、ピクミンブルームで遊ぶ他のプレーヤーからも見えます。


ポケモンGOやドラゴンクエストウォークのような対人要素はなく、周囲のプレイヤー人口に関係なくのんびりと楽しむことができます。
ピクミンブルーム 公式サイト

どれも有名なゲームのスマホ版アプリのためご存知の方も多いと思います。アプリによって運動量が大きく変わるということはないので、親しみのあるゲームや家族や友人がやっているものを始めてみてはいかがでしょうか。
家庭用ゲーム機はスマホアプリと比較するとお金がかかります。しかし、天気や時間に左右されずにいつでも屋内で楽しく体を動かすことができます。

代表的な家庭用ゲーム機、任天堂Switchの運動系ゲーム2つをご紹介します。

・リングフィットアドベンチャー
・Nintendo Switch Sports
リングフィットアドベンチャー 公式サイト

下記の4つのモードから好きなものを選んで遊ぶことができます。

・フィットスキル
・ミニゲーム
・シンプル
・リズムゲーム

気になる部位を鍛えることもゲームをしながら運動することもできるので気分や目的に合わせて楽しめます。

筆者もリングフィットを使って運動していますので、その様子をご紹介します。


上のレッグバンド(青いリモコン)を太ももに巻きつけます。
下のリングコン(赤いリモコン)を手で持ちます。


リングフィットをするときは下にマットを敷いて足音を抑えています。
この日は「フィットスキル」モードをやりました。仕事や予定がある日でも好きな時間にできるので続けやすいところが家庭用ゲーム機のいいところです。
リングフィットアドベンチャー 公式サイト
1つのソフトで下記の7種類のスポーツができます。オンラインでも遊ぶことができるため、遠くに住む家族や友人と対戦して楽しむことができます。

・バレーボール
・バトミントン
・ボウリング
・サッカー
・チャンバラ
・テニス
・ゴルフ

オンラインプレイでは世界中の人と対戦することができます。オンラインプレイで勝ち続けるとプロ認定を受けることができ、プロリーグに参加して同じランクのプレイヤーと勝負することができます。

1人では運動を続けられない人も対戦相手がいると続けやすくなります。Nintendo Switch Sportsはゲームが好きで運動不足を感じている方におすすめの運動方法です。
Nintendo Switch Sports 公式サイト
様々な運動方法をご紹介してきましたが、試してみようと思うものは見つかりましたでしょうか。血圧を下げる上で1番大切なことは継続的に運動をすることです。そのためには日常生活に無理なく楽しめる運動を取り入れることが重要です。

高血圧はコレステロール値と深く関わっていることをご存知でしょうか。肥満の方は血液中のコレステロールが増え、コレステロールが血管壁内に蓄積し、血管が硬くなります。 そして血管の内腔が狭くなり、その結果血圧が高くなってしまいます。
武村医院 生活習慣病

「LDLコレステロール」「HDLコレステロール」という言葉をよく耳にすると思いますがいったい何なのでしょうか。

コレステロールは脂質(あぶら)で水には溶けないため、そのままでは血液に溶けて全身に行き渡ることができません。

特殊なたんぱく質に包まれたカプセルのような乗り物の中に入って、血液に溶け込み、全身に運ばれていきます。このカプセル状の物質を「リポたんぱく」といいます。

LDLやHDLもリポたんぱくの一種で、LDLの中に入っているコレステロールをLDLコレステロール、HDLの中に入っているコレステロールをHDLコレステロールといいます。

◇LDLコレステロールとHDLコレステロールの役割


体内のコレステロールの量は、LDLによる供給とHDLによる回収のバランスで成り立っています。

しかし、食事や体質などによって、LDLコレステロールが増えすぎたり、余分なコレステロールを回収するHDLコレステロールが少なすぎたりすると、コレステロールのバランスが崩れ、血管内にコレステロールが蓄積して、血管を傷つけたり、血管の内側を狭める原因となります。
血管健康くらぶ 3分でわかるコレステロールとは?


健康診断・血液検査の結果を見るときは血圧と合わせて下記のそれぞれのコレステロールの役割を思い出し、LDLコレステロール値が高すぎないか、HDLコレステロール値が低すぎないかを見るようにしましょう。

◇LDLコレステロールとHDLコレステロールの役割

LDLコレステロール 全身にコレステロールを供給する
HDLコレステロール 余分なコレステロールを肝臓に戻す

脂質異常の診断基準は、LDLコレステロールが140mg/dL以上、HDLコレステロールが40mg/dL未満とされています。
厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト e-ヘルスネット 脂質異常症


ご自身の健康診断の結果を見直して、血圧とコレステロール両方の対策を進めていきましょう。
齋藤先生_背景透過_切り抜き

監修:ナグモクリニック東京院 女性更年期外来担当医師
斎藤 糧三 医師

1998年、日本医科大学卒業後、産婦人科医に。その後、美容皮膚科治療、栄養療法、点滴療法、ホルモン療法を統合したトータルアンチエイジング理論を確立。2008年、「機能性医学」の普及と研究を推進するため「日本機能性医学研究所」を設立。
2013年よりナグモクリニック東京院で栄養外来と女性更年期外来を担当している。
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