2022.07.14

LDLコレステロールの働きを正しく知ろう

LDLコレステロールは本当に悪玉なの? コレステロールは体に不可欠な成分
コレステロールは、すべての細胞の細胞膜の構成成分で、細胞の強度維持のために重要な役割を果たしています。また神経細胞同士を繋ぎ、情報を伝達する働きのある神経軸索という組織の絶縁体として働き、神経細胞から送られる信号を正常に伝えていきます。その他、ビタミンDや性ホルモンの原料にもなります。

つまり、体の機能の保持のためにコレステロールが必要なのです。
LDLが担う役割
LDLはリポ蛋白質であり、コレステロールと結合し血液の中に溶けやすくなることによって、肝臓からコレステロールを全身の細胞に運ぶ役割をしています。もし動物の体(細胞群)をビルに例えるなら、LDLコレステロールは、コンクリートの類に当てはまります。建物にコンクリートが必要であるように、体(細胞)を構築するには、その細胞膜などの成分となるLDLコレステロールが必要不可欠なのです。
過剰なLDLが体に悪影響を及ぼす
それではLDLがなぜ悪玉コレステロールと呼ばれているのでしょうか。それは、LDLコレステロールそれ自体ではなく、「摂り過ぎてしまったLDLコレステロール」ということです。体内のコレステロール量が多いと、LDLがコレステロールを全身に運び、血管壁にコレステロールが過剰に蓄積してしまいます。そのため、血管内部段々が狭くなるため、血のめぐりが悪くなり、様々な生活習慣病を引き起こす原因の一つになります。
肥満と病気の傾向
肥満の多い国の上位10位が調べられてます※1。例えば血管系の疾患の一つである脳梗塞だけに着目しても、その国別ランキングを見てみますと、肥満ランキングとほぼ一致します※2
それでは、世界で飢餓状態の人口が多い国を見てみましょう。アフリカ、各アジア諸国が厳しい状況に置かれています(※中国のように広大な国土で地域による食料格差がある特殊な状況は除く) ※3。これらの飢餓状態の人口が多い国では、栄養状態が悪いため肥満や脳梗塞のランキングには当然入ってきません。
ヒトが太り始めたのはここ最近のこと
25万年前にホモサピエンス、つまりヒトが出現したと考えられています※4。この人類の長い歴史において、ヒトが太りやすいということが言われるようになったのは、ここ100年のことです。それまでは現代ほど食べ物が過剰だった時代はありませんでした。人類が脂肪を体内に貯蓄できる能力は、かつて少ない食料の中での生存のために必要不可欠だったのです。

そのためLDLコレステロールは過剰になることはなく、本来の細胞構築の重要な機能で完結していたわけです。ですから、血管の異常による病気は、まさに現代特有の病気と言えます。
現代におけるLDLコレステロールの考え方
LDLが悪玉コレステロールと呼ばれているのは、まさに現代の人間の生活習慣が前提とされています。現代は十分な食料で恵まれている反面、新しい生活習慣病に悩まされることになったわけですね。その生活習慣病の原因となったのが過剰なLDLコレステロールということが解かってきたため、LDLコレステロールが「悪玉コレステロール」と呼ばれるようになったというのが正しい解釈です。しかし、現代の環境を遥か昔に戻すわけにもいきません。ダイエットや食事の改善など、現代の生活様式に合った方法で予防していくしかありません。LDLコレステロールを低下させ、除くことを担うHDLコレステロールを上昇させ、LH比を整える大変優れたサプリメントも出ております。積極的に生活に取り入れて健康寿命を延ばしていきましょう。
齋藤先生_背景透過_切り抜き

監修:ナグモクリニック東京院 女性更年期外来担当医師
斎藤 糧三 医師

1998年、日本医科大学卒業後、産婦人科医に。その後、美容皮膚科治療、栄養療法、点滴療法、ホルモン療法を統合したトータルアンチエイジング理論を確立。2008年、「機能性医学」の普及と研究を推進するため「日本機能性医学研究所」を設立。
2013年よりナグモクリニック東京院で栄養外来と女性更年期外来を担当している。