朝食でコレステロールを下げる3つのポイント|実例献立4選

この記事では、毎日の朝食でコレステロールを下げたいと考えている方に向けて、和食・洋食・コンビニ・外食の場合の具体的な朝食メニューを紹介しています。

コレステロールを下げる朝食メニューを考える際には、どんな食材がコレステロールを下げるのか、どんな成分が入った食材を豊富に摂取すべきか把握しておかなければなりません。

まず最初に、頭に入れておきたいコレステロールを下げる3つのポイントを紹介していきます。
コレステロールを下げるポイント3つは以下の通りです。

1.食物繊維を摂取しましょう
2.コレステロールの多い食品は控えましょう
3.あぶらの種類に気をつけましょう


それでは、ポイントの1つ目から順に紹介していきます。
食物繊維は、食事中のコレステロールなどを吸着し、体外に排出する役割を持っているため、血中コレステロール値を低下させると言われています。

厚生労働省によると、効率的に食物繊維を摂取するには、主食を玄米ごはん、麦ごはん、胚芽米ごはん、全粒小麦パンなどに置き換えるのが良いとされています。

また、豆類、野菜類、果実類、きのこ類、藻類などにも多く含まれているため、以下のような食物繊維を多く含む食品を意識して摂取するのが良いでしょう。

◇1食あたり摂取する量の中に食物繊維が2~3g含まれている食品

そば 、ライ麦パン、 しらたき、 さつまいも、
切り干し大根、かぼちゃ、 ごぼう、 たけのこ、
ブロッコリー、 モロヘイヤ、糸引き納豆、 いんげん豆、
あずき、 おから、 しいたけ、 ひじき
食物繊維の必要性と健康/厚生労働省

まずは、今の食生活よりも食物繊維を1日あたり3~4g多く摂取することを目標にし、積極的にこれらの食材を毎日の食事の中に上手く取り入れていきましょう。
食物繊維の必要性と健康/厚生労働省
コレステロールの高い食品は文部科学省が公開している「食品成分データベース」にて、コレステロールの含有量が高い食品の上位51種の食品を調べてみたところ、朝の食卓に登場することの多い卵類が上位51種の中でも多くを占めていました

◇コレステロールの含有量の多い食品51種の中から卵のみを抜粋
順位 食品名 成分量(100gあたり)
1位 卵類/鶏卵/卵黄/乾燥卵黄 2300mg
2位 卵類/鶏卵/全卵/乾燥全卵 1500mg
3位 卵類/鶏卵/卵黄/生 1200mg
3位 卵類/鶏卵/卵黄/ゆで 1200mg
9位 卵類/鶏卵/卵黄/加糖卵黄 820mg
14位 卵類/あひる卵/ピータン 680mg
17位 卵類/うこっけい卵/全卵/生 550mg
23位 卵類/うずら卵/水煮缶詰 490mg
27位 卵類/鶏卵/全卵/目玉焼き 470mg
33位 卵類/鶏卵/全卵/ポーチドエッグ 420mg
37位 卵類/鶏卵/全卵/水煮缶詰 400mg
37位 卵類/鶏卵/全卵/いり 400mg
43位 卵類/鶏卵/全卵/ゆで 380mg
45位 卵類/鶏卵/全卵/生 370mg
食品データベース/文部科学省

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、脂質異常症の重症化予防を目的にするコレステロールの摂取は一日あたり200mg未満が望ましいと記載されています。

鶏卵の重さは1つあたり約50~60gと言われているので、卵を食べる場合は、茹でるか生の状態で1日1個までにしておくのが良いでしょう。
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書 厚生労働省3-2脂質異常症 2-1-7 食事性コレステロール 451ページ

なお、卵以外の「コレステロールの含有量が高い食品の上位51食品」はこちらの記事にて紹介していますので、合わせてご覧ください。
コレステロールの高い上位51食品!多くが卵類や魚介類
LDLコレステロール値が高い方は、あぶらの種類に注意することが必要です。

コレステロールを上げる食品
飽和脂肪酸が多いあぶらを含む食品
肉の脂身、鶏肉の皮、バター、チーズ、生クリーム、インスタント麺、洋菓子、アイスクリーム、 チョコレート、スナック菓子  など
飽和脂肪酸とは、人間の体内でつくられる脂肪酸で、LDLコレステロールや中性脂肪を増やす働きがあります。動物性の脂などに多く含まれています。

コレステロールを上げにくい食品
不飽和脂肪酸が多いあぶらを含む食品
ごま油、植物油、大豆、大豆製品、サンマ、アジ、イワシ、サバ など
不飽和脂肪酸は、体内のLDLコレステロールや中性脂肪を減らし、HDLコレステロールを増やす働きがあり、魚の油や、植物性の油に含まれます。

あぶらの中でも飽和脂肪酸を多く含む食品は、コレステロール値を上げ、あぶらの中でも不飽和脂肪酸を多く含む食品は、コレステロール値を上げにくいといわれているため、植物性の油や、大豆製品、サンマなどの青背の魚を積極的に選ぶようにしましょう。
一般社団法人 日本動脈硬化学会HP
ここからは、コレステロールを下げるポイント3つを踏まえた朝食メニューを4つ紹介していきます。
1つ目は和食の献立です。
いつもの白米を玄米や麦などが入った雑穀米に変更しました。
また、切り干し大根や糸こんにゃくなど食物繊維が豊富な食材や、不飽和脂肪酸が多いあぶらを含む、鯖・豆腐・ごま油を取り入れてみました。

・雑穀米
・鯖の塩焼き
・冷奴
・菜の花のお浸し
・切り干し大根と糸こんにゃくの煮物


【食材】雑穀米(うるち白米・丸麦・胚芽押麦・小豆・黒大豆・赤米・黒米・発芽玄米・もち麦)、鯖、しそ、絹豆腐、ねぎ、切り干し大根、糸こんにゃく、人参、ごま油、菜の花、かつお節、醤油、みりん、砂糖

【調理法】・雑穀米を炊飯器で炊く
     ・塩鯖をごま油で焼く
     ・切り干し大根、人参、糸こんにゃくを醤油、みりん、砂糖で煮る
     ・絹どうふを切り、ねぎを散らす
     ・菜の花を茹でる
2つ目は洋食の献立です。 チーズやバターを使わずに、パンを美味しく食べるために、はちみつキューピーのコレステロールを下げるマヨネーズコレステロール0のオリーブオイルを使用しました。

また、効率的に食物繊維を摂取するために、パンは全粒粉入りのものを購入しました。


・バナナシナモンはちみつトースト
・2種のきのこのガーリックトースト
・ミックスビーンズのサラダ
・調整豆乳

【食材】全粒粉入り食パン、バナナ、シナモンシュガー、はちみつ、エリンギ、しめじ、ニンニク、めんつゆ、コレステロール0オリーブオイル、ミックスビーンズ(赤いんげん・ひよこ豆・青えんどう)、サニーレタス、人参、水菜、調整豆乳、コレステロールを下げるキューピーディフェマヨネーズ 

【調理法】
・はちみつを塗って焼いた全粒粉入り食パンに、バナナを乗せ、シナモンシュガーをかける
・コレステロールを下げるマヨネーズを全粒粉入り食パンに塗って焼く
 きのこ類をおろしニンニクとめんつゆ、オリーブオイル炒めたものを乗せてパセリを振る
・水菜とサニーレタスと細切りした人参にミックスビーンズを盛り付ける
忙しい日の朝は、コンビニで朝食を購入する方も多いかと思います。
今回は、ファミリーマートにて、コレステロールを下げるポイントを意識しながら朝食を選んでみました。

穀物の上に、なめこ、オクラ、わかめ、めかぶ等が乗ったサラダと、レタス1.5個分の食物繊維が摂れるわかめ入りの春雨スープを購入しました。


・春雨スープたっぷりわかめ(右)
【価格】税込160円
【熱量】84kcal (食物繊維5.6g)
【食材】わかめ、ごま、コーン、春雨など

・だしジュレ入りねばねばと雑穀のサラダ(左)
【価格】税込298円
【熱量】137kcal (食物繊維3.7g)
【食材】押麦、もち黒米、だしジュレ、大根、わかめ、めかぶ、ゆでオクラ、なめこ水煮、赤かえでのり、人参など
有名な外食チェーン店の朝食を調べてみたところ、多くの店が朝食メニューに卵を使用していました。そんな中、すき家では卵をおしんこへ変更出来るサービスを行っていると知り、実際に足を運んでみました。


筆者は納豆「まぜのっけ朝食」を注文し、卵をおしんこに変更、季節の小鉢(ひじきの煮物)を追加しました。

朝食メニューすき家HP

納豆まぜのっけ定食


・納豆まぜのっけ定食 (卵をおしんこへ変更)
【価格】ごはんミニ330円 ごはん並360円 ごはん大盛390円 (全て税込)
【熱量】 ミニ525kcal   並盛663kcal  大盛801kcal
【食材】白米、オクラ、納豆、ねぎ、かつお節、わかめ、など

・季節の小鉢(ひじきの煮物)
【価格】80円
【熱量】25kcal
【食材】ひじき、人参、大豆、こんにゃくなど
栄養成分一覧表/すき家
コレステロールを下げる朝食のポイントは、

・食物繊維を摂取する
・コレステロールの多い食品は控える
・あぶらの種類に気をつける


ことが大切です。

コレステロールを上げる食材を一品減らし、下げる食材を一品を取り入れてみるなど、毎日の朝食をバランスよく摂ることを心がけましょう。


今回は、コレステロールを下げる朝食をご紹介しましたが、悪玉と言われるLDLコレステロールを下げることだけ注力するのでなく、善玉と言われるHDLコレステロールを上げ、コレステロールのバランスを重視することが大切です。

LH比については、下記の記事にて詳しく紹介していますので、是非参考にしてみてください。
悪玉(LDL)コレステロールを減らし善玉(HDL)コレステロールを増やす方法とは?LH比についても解説
齋藤先生_背景透過_切り抜き

監修:ナグモクリニック東京院 女性更年期外来担当医師
斎藤 糧三 医師

1998年、日本医科大学卒業後、産婦人科医に。その後、美容皮膚科治療、栄養療法、点滴療法、ホルモン療法を統合したトータルアンチエイジング理論を確立。2008年、「機能性医学」の普及と研究を推進するため「日本機能性医学研究所」を設立。
2013年よりナグモクリニック東京院で栄養外来と女性更年期外来を担当している。
関連記事