2022.02.18

LDL(悪玉)コレステロール値|基準値や改善方法、高すぎても低すぎても良くない理由とは

健康診断で指摘されることの多いLDL(悪玉)コレステロール値。数値が高いと良くないことはわかるものの、実際にどう対処すれば良いのか悩んでしまうこともあるでしょう。

この記事では、LDLコレステロールの概要や基準値を紹介します。LDLコレステロール値を下げる方法も解説しますが、実は低ければ低いほど良い、というわけではないともいわれています。基準値を理解したうえで適切に対処していきましょう。

コレステロールは、私たちの体のなかにある脂質の一つで、細胞膜や性ホルモン、ビタミンDの原料になります。LDLコレステロールは肝臓で生成されたコレステロールを全身へ運ぶ機能を持っています。

基準値の範囲内であれば問題ありませんが、血液中に増えすぎたLDLコレステロールは血管壁に沈着し、血管の柔軟性を失わせる原因になってしまうことがあります。

LDLコレステロール増加による体への影響については、こちらの記事も参考にしてみてください。

LDLコレステロールとは?働きや体への影響と値を下げる方法を紹介

◇LDL(悪玉)コレステロールが増える原因
体全体のコレステロール量を正常に保つためには、コレステロールが肝臓で生成される量、小腸から吸収される量、体内で利用される量、体外に排出される量のバランスが重要です。また、血液中の濃度を一定の範囲に収めるために、女性ホルモンや甲状腺ホルモンなど多くの仕組みが関与しています。

これらの調節機能に何らかの異常が起こると、LDLコレステロール量を正常に保つことができません。
調節機能に悪影響を与える要因はさまざまで、高コレステロール食品を中心とした欧米的な食習慣、運動不足、遺伝的要素などがあります。

特に、脂質の摂りすぎによる影響は大きいので注意が必要でしょう。
LDLコレステロールを増加させるだけでなく、HDL(善玉)コレステロールを減少させることが知られています。

コレステロール値

LDLコレステロール値は、140mg/dl未満である場合に正常とみなされます。
140mg/dl以上の場合は基準値から逸脱していることになり、脂質異常症を疑うこととされています。

しかし、基準値を超えているからといって、ただちに薬物治療が必要ということではありません。主治医と相談しながら、生活習慣の改善などをベースにLDLコレステロール値を管理していきます。同時に、高血圧や喫煙などの危険因子のチェックを行なうことも重要です。

そのうえで必要性が認められた場合は、薬を上手に使ってLDLコレステロール値のコントロールをしていくとよいでしょう。
ちなみに、120~139mg/dlは境界域高LDLコレステロール血症といわれ、条件によっては治療の必要性が考慮される値となります。こちらもぜひ覚えておいてください。

「悪玉」とも呼ばれるLDLコレステロール。値が高いと体に良くなさそうであることは容易に想像できますが、実は値が低すぎても体に悪影響をおよぼすとも考えられています。
それぞれの理由について見ていきましょう。

◇高すぎると良くない理由
増えすぎたLDLコレステロールは血管壁に沈着したのち、活性酸素などによって酸化変性されます。この酸化LDLは血栓の原因になるだけでなく、血管壁を傷つけたり、本来健康な血管が持っているはずの血管拡張作用を損なわせたりすることで、血管の柔軟性を奪っていきます。

さらに、血栓ができると脳や心臓の血管を詰まらせてしまう可能性があるため、LDLコレステロールを正常に保ち、しなやかな血管を維持することが重要です。

血管を硬くするのは酸化LDLによる直接的な作用だけではありません。沈着した酸化LDLは、白血球のマクロファージに異物と認識されます。異物の排除のために次々と集まったマクロファージの残骸もまた、血栓の原因になるのです。

◇低すぎると良くない理由
一般にはLDLコレステロール値は下げるべきものであり、数値が低いほど良いと認識されています。では仮に、値が限りなく低かった場合は体にどのような影響があるのでしょうか。
血中の総コレステロールが120mg/dL未満、またはLDLコレステロールが50mg/dL未満の場合に、低脂血症と診断されます。しかし、低脂血症が直接問題を起こすことはほとんど考えられません。

一方で、低脂血症を引き起こしている場合には別の病気が潜んでいる可能性があります。
甲状腺機能亢進症、貧血、低栄養、がん、C型肝炎などの慢性感染症などです。
低脂血症が判明した際には、これらの病気を特定するための検査をすることになるでしょう。原因疾患がわかれば、それに対する治療が行なわれます。

まれに遺伝子異常が原因になっていることもあります。一部の遺伝子異常では、脂肪やビタミンEなど、必要な栄養素をサプリメントで補う治療が施されます

運動、食事など生活習慣の改善が基本です。それぞれ解説していきます。

◇適度な運動を行なう
運動不足はHDL(善玉)コレステロールの減少を引き起こします。HDLコレステロールとは、増えすぎてしまったコレステロールを回収し、血管が硬くなり柔軟性が失われてしまうことを抑制する働きがあります。そのため、有酸素運動を中心とした適度な運動を取り入れることでHDLコレステロールを保ち、LDLコレステロールを相対的に下げることが重要です。

ウォーキングや自転車など、毎日の習慣にできるような運動がおすすめです。短期間で集中して運動するよりも、ある程度長い期間運動を続けるほうが効果的であるといわれています。
1日30分以上の運動を毎日続けることが理想ですが、持病をお持ちの方など運動が負担になってしまうおそれのある方は、医師に相談のうえ、無理のない範囲で行なってください。

◇食生活を改善する
高コレステロール食品の過剰摂取に気を付けましょう。
特に、飽和脂肪酸を摂りすぎないよう工夫してください。飽和脂肪酸は肉の脂身や、バター、生クリームなどに多く含まれています。カップ麺や菓子パンなど、目に見えない「あぶら」にも要注意です。

食物繊維はコレステロールの調節をサポートしてくれます。 例えば、大麦などに含まれるβ-グルカン(水溶性の食物繊維)には、血中のLDLコレステロールを下げる働きがあることが知られています。

家で調理をする際には、揚げる・炒める調理ではなく、蒸す・煮るなどの調理をすることで脂質を抑えられます。また、洋食よりも和食のほうが飽和脂肪酸も少なく、食物繊維も摂ることができるのでおすすめです。
栄養バランスのとれた食事を1日3食、良く噛んで食べましょう。

◇タバコを吸わない
喫煙も血中のLDLコレステロール値を高める原因になることが知られています。

タバコに含まれるニコチンが糖質や脂質の代謝異常を引き起こすことで、中性脂肪やLDLコレステロールを増加させるのです。
また、喫煙はLDLコレステロールを増やす一方で、HDL(善玉)コレステロールを減少させることもわかっています。

喫煙をしている方は、タバコをやめることをおすすめします。

LDLコレステロールは、おもに運動不足や食習慣の乱れによって増加します高LDLコレステロール血症はさまざまな疾患を引き起こす要因となるため、基準値である140mg/dl未満の範囲を保てるように日頃から生活習慣を整えることが大切です。

反対に、LDLコレステロール値が異常に低い状態(低脂血症)である場合、甲状腺機能低下症やがんなど他の病気が存在する可能性があります。原因疾患を特定し、それに対する治療をしていく必要があるでしょう。

無理のない適度な運動とバランスの良い食事を中心に、LDLコレステロールを適切にコントロールしていきましょう。