コーヒーとコレステロールの関係

食事とコレステロールは密接な関係にあることは、皆様もご存じかと思います。特に高コレステロールの場合、その食事の影響が顕著に表れます。

その中でコーヒーはかなりの研究が行われており、コーヒーがコレステロール値に与える影響に関する研究データも数多くあります。肉や乳製品など動物性食品による血中コレステロールの影響は大きいですが、コーヒーは植物由来であるため、血中コレステロール値に、そこまで影響がないと思っている方が多いと思います。果たしてそうでしょうか?
ここからは、コーヒーとコレステロールの関係を見てみましょう。
コレステロールとは?
コレステロールは、血流を介して運ばれる物質で、肝臓からコレステロールが生成され全身に運ばれます。実はコレステロールは体に不可欠な物質であり、それなしでは体を維持できません。コレステロールは体のあらゆる細胞の構造要素でビタミンDやテストステロンやエストロゲンなどのホルモンの生産にも作用されます。

もっと詳しく説明しますと、コレステロールは脂肪とリポタンパク質として知られているタンパク質の顆粒体で血管を通って体中を移動します。これらには、高密度リポタンパク質(HDL善玉コレステロール)と低密度リポタンパク質(LDL悪玉コレステロール)の2つの種類があります。

LDLに結合するコレステロール(LDL-C)は悪玉コレステロールとして知られています。LDLは、肝臓からコレステロールを運ぶため役割があります。ただし、血流中のLDLが過剰になると動脈にプラークと呼ばれるこぶのようになり、血管に蓄積する可能性があります。

一方、HDLに結合するコレステロール(HDL-C)は善玉コレステロールとして知られています。血中の余分なコレステロールを集めて肝臓に運び、分解して取り除きます。それは血流の保護メカニズムとして考えられます。
コーヒーとコレステロールの関係性
肉、牛乳などの動物性食品に高コレステロールの原因とされている飽和脂肪が含まれております。反面、植物性食品に飽和脂肪ほとんど含まれておりません。しかし、2001年に発表された研究によると植物食品であるコーヒーがコレステロールと関係があることが分かりました。

実際、コーヒーにはコレステロールが含まれておりませんが、体がコーヒーを消化する時に起こるメカニズムによる影響があるようです。American Journal of Epidemiologyに掲載された論文※1には、上記に関する内容を分析し、コーヒーによって血清コレステロール値の上昇につながることが分かりました。

コーヒーに含まれている油の一種のカフェストールやカフェオールなどは、血流の総コレステロールと悪玉コレステロール(LDL)の両方の数値の増加に関連していました。特にカフェストールは「人間が摂取する物質の中で、最も強力にコレステロールを高める化合物である」と述べています※2
コーヒーの淹れ方によってコレステロールにどのように影響するのか
結論から言いますと、トルココーヒー、スカンジナビアのドリップブリュー、フレンチプレスコーヒーや、さらに、カフェイン抜きのコーヒーもコレステロール値の上昇が確認されています。要はコーヒーの製造技術の発展は、より高い濃度のコーヒーオイルを生み出したからです。

しかし、アメリカンスタイルポットやドリップバッグフィルター方式のコーヒーはフィルターを通過するため大半のカフェストールが除去されます。そのため、コレステロール値の増加にほとんど影響しないとされています。
推奨されるコーヒーの飲み方
コレステロール値が気になる方や、コレステロール値が高い方は、コーヒーの飲み方について医師と相談することをお勧めします。一説によると、1日5杯のフレンチプレスコーヒーを4週間摂取すると、血中コレステロール値が6〜8%上昇するという結果が出ています※3

毎日運動をされている方や、バランスの良い食事をしている方は1日1杯のコーヒーで心配するほどではないかもしれません。しかし、健康のためコレステロール値を改善しないといけない方がコーヒーを飲む場合は、フィルター処理されたドリップバッグフィルター方式で淹れたコーヒーなど、選択することを検討した方が良いかもしれません。

コレステロールが気になる方は運動や食生活の改善に努めるとともに、コレステロール値を改善することが学術論文※により報告された成分「キューバ産ポリコサノール」を配合したサプリメントを摂取してみましょう。

キューバ産ポリコサノールについては、下記のコラムで詳しく解説しております。

ポリコサノールとは?
https://raydel.co.jp/column/detail/0010.php

※学術論文:Effects of policosanol treatment on the susceptibility of low density lipoprotein (LDL) isolated from healthy volunteers to oxidative modification in vitro
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2014982/
齋藤先生_背景透過_切り抜き

監修:ナグモクリニック東京院 女性更年期外来担当医師
斎藤 糧三 医師

1998年、日本医科大学卒業後、産婦人科医に。その後、美容皮膚科治療、栄養療法、点滴療法、ホルモン療法を統合したトータルアンチエイジング理論を確立。2008年、「機能性医学」の普及と研究を推進するため「日本機能性医学研究所」を設立。
2013年よりナグモクリニック東京院で栄養外来と女性更年期外来を担当している。
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