コレステロールを下げるDHA・EPAが豊富な魚ランキング
「最近健康診断でコレステロールを下げるようにと言われた」
「LDLが高いから食事で対策したい」
そんな方々に向け、コレステロールを下げるのに役立つ魚を紹介します。
「魚がいい」とは聞くものの、具体的にどのような魚がどのような理由でよいのか知らないと実践が続かないと思います。この記事では、魚の種類、よいとされている成分、手軽に取り入れるための参考情報まで幅広くお伝えします。健康づくりに役立ててください。

監修
株式会社レイデルジャパン
コンシューマーヘルスケア事業本部 RA,R&D統括
単 少傑 薬学博士
魚がコレステロールにいい理由

いわし、さんま、さばなどの 「青背(あおせ)の魚」と呼ばれる光物の魚の脂肪には「DHA」、「EPA」という成分が多く含まれています。
双方とも、抗炎症作用や血圧降下作用のほか、血中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)や中性脂肪を減らす機能があることが分かっており、生活習慣病の予防・改善に期待されています。
サプリも多く出ているので「聞いたことがある」という方も多いのではないかと思います。
DHA
DHAは、未熟児の網膜機能の発達に必須です。そして、加齢に伴い低下する認知機能の一部である記憶力、注意力、判断力や空間認識力を維持することが報告されています
つまり、胎児期から老年期に至るまでの脳、網膜や神経の発達・機能維持に重要な役割を担っているのです。
EPA
EPAは血小板凝集抑制作用があるため、血栓形成の抑制等の効果があることが分かっています。
DHA、EPAは私たちにとって大切な必須脂肪酸の一部ですが、体内で構成されません。魚介類やクジラの脂質からしか摂取できないため、日ごろから意識して取り入れることが 大切です。
DHA・EPAが豊富な魚ランキング
では、意識的に食事に取り入れるためにDHAとEPAが豊富な魚をランキング形式でご紹介します。
順位 | 品種 | DHA量 | EPA量 |
---|---|---|---|
1位 | タイセイヨウサバ | 2600㎎ | 1800㎎ |
2位 | ミナミマグロ(脂身) | 4000㎎ | 1600㎎ |
3位 | サンマ(皮つき) | 2200㎎ | 100㎎ |
4位 | クロマグロ(天然 脂身) | 3200㎎ | 1400㎎ |
5位 | カタクチイワシ | 770㎎ | 1100㎎ |
6位 | タチウオ | 1400㎎ | 970㎎ |
7位 | ブリ(生魚) | 1700㎎ | 940㎎ |
8位 | ニシン | 770㎎ | 880㎎ |
9位 | マイワシ | 870㎎ | 780㎎ |
10位 | コノシロ | 410㎎ | 730㎎ |
いわし、さんま、さばなどの 「青背(あおせ)の魚」と呼ばれる光物の魚が多くランクインしていることが分かります。
次に、魚を摂取する際のポイントをご紹介するので、あわせて確認してください。
魚を摂取する際の3つのポイント
次の①から③は、魚を摂取するにあたり知っておきたいポイントです。
ポイント①鮮度確認

DHAやEPAが多い魚は脂を多く含んでいます。傷みやすいので注意が必要です。
購入時は以下の3点に気を付けましょう。
- ・切り身はツヤがあり、身が締っているもの
- ・体表に張りがあり、エラが鮮やかなもの
- ・魚の目が澄んでいるもの
ポイント②保存方法
保存方法にもポイントがあります。順に見ていきましょう。
※各冷蔵室はメーカーや機種により異なります
冷蔵室 (3~5℃) | 刺身(生食)以外の調理済みの魚介類を保存 |
---|---|
チルド室 (0℃) | 当日食べる魚介類を下処理し、水気をよく取ってから保存 |
パーシャル室 (-3℃) | チルド室より温度が低めで、凍る直前の状態で保存 下処理後キッチンペーパーで包み保存袋などで密閉すれば 2~3 日は 保存可能 |
DHA・EPAは基本的に魚の身にそのまま含まれているため、短期間(1~3日)の保存では大きく減少しないといわれます。
ただし、空気(酸素)・光・温度変化によって徐々に酸化することを覚えておきましょう。より低温で密封保存するほど酸化を防ぎやすいです。
ポイント③摂取目標量
どれぐらいの量の魚を食べると「健康に良い」のか気になりますよね。
水産省は、日本人の成人男女によるEPA及びDHAの摂取目標量(下限)を1人1日当たり1gと設定されています。
1g(1000mg)を摂るとは、具体的にいうとアジの開きで0.7枚分、サンマの塩焼きで0.4尾分、ブリ(ハマチ)の刺身で4.7切分に当たります。

コンビニで買える魚商品の比較
セブンイレブン・ローソン・ファミリーマートなどで購入できる「鯖の味噌煮」や「塩鮭」を比較しました。
データと共に紹介します。
さばの味噌煮
まずはさばの味噌煮編です。
セブンイレブン さばの味噌煮(骨とり) 1切
エネルギー | 283kcal |
---|---|
たんぱく質 | 13.4g |
脂質 | 21.9g |
炭水化物 | 8g |
糖質 | 7.6g |
食物繊維 | 0.4g |
食塩相当量 | 1.3g |
ローソン さばの味噌煮

エネルギー | 293kcal |
---|---|
たんぱく質 | 14.8g |
脂質 | 22.1g |
炭水化物 | 9.2g |
糖質 | 8.3g |
食物繊維 | 0.9g |
食塩相当量 | 1.2g |
公式ホームページによると、脂ののった鯖を赤味噌をベースに昆布と生姜の風味をきかせて煮込んだそうです。実際に食べ比べてみると、3社の中で一番まろやかで優しい味付けでした。
ファミリーマート さばのみそ煮
※栄養価情報が公式サイトで確認できなかったため購入時のデータを記載

エネルギー | 275kcal |
---|---|
たんぱく質 | - |
脂質 | - |
炭水化物 | - |
糖質 | - |
食物繊維 | - |
食塩相当量 | - |
公式ホームページによるとみそとおろししょうがを合わせたタレを使用と書かれていました。実際に食べてみると、3社の中で1番味噌の色味が濃く、他社の味噌とは違い田楽味噌のような味わいでした。
鮭の塩焼き
ランキングには入っていませんが、青背(あおせ)の魚が苦手な方は「鮭の塩焼き」を選んでみるのもよいでしょう。
文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)脂肪酸成分表」によると、シロサケ(可食部100gあたり)を焼いて調理した場合、DHA510mg、EPA260mgが含まれています。
「鯖の味噌煮」同様、「鮭の塩焼き」もセブンイレブン、ローソン、ファミリーマートの3社の商品を紹介します。
セブンイレブン 7プレミアム 銀鮭の塩焼
エネルギー | 149kcal |
---|---|
たんぱく質 | 14.4g |
脂質 | 10.1g |
炭水化物 | 0.1g |
糖質 | 0.1g |
食物繊維 | 0.0g |
食塩相当量 | 1.1g |
ローソン 銀鮭の塩焼

エネルギー | 135kcal |
---|---|
たんぱく質 | 12.0g |
脂質 | 9.7g |
炭水化物 | 0.0g |
糖質 | 0.0g |
食物繊維 | 0.0g |
食塩相当量 | 1.2g |
ファミリーマート ふっくらと焼き上げた銀鮭の塩焼き
※栄養価情報が公式サイトで確認できなかったので栄養価を省略しています

公式ホームページによると、チリ産の銀鮭を淡路島の花藻塩で漬込み、皮目まで香ばしく焼き上げた銀鮭の塩焼きと書かれていました。実際に食べてみると、皮目までしっかり焼かれているため香ばしく、魚の脂も感じました。
コンビニ商品は24時間いつでも手軽に入手することができ、電子レンジ調理のみの為、忙しい朝や疲れた日にも便利です。
また、ほとんどの商品がお皿を移さずに食べられるため、後片付けも簡単です。
まとめ
魚を食べてコレステロールを下げるポイントは、「DHA」、「EPA」という成分が多く含まれているサバ、マグロ、サンマ(皮つき)、イワシなどを積極的に摂取することです。
今回は、コレステロールを下げる魚についてをご紹介しました。いかがでしたでしょうか。
魚を食べてコレステロール対策することに加え、近年重要視されているLDLとHDLの比率バランス「LH比」にも目を向けましょう。
LH比については、下記の記事にて詳しく紹介していますので、是非参考にしてみてください。