LDLコレステロールは本当に悪玉なの?

現代において、LDLコレステロールは「悪玉コレステロール」と呼ばれています。どこでも、LDLコレステロールは悪いもの、血管の病気のリスクを高める原因となると書かれてあることが散見されます。それは部分的には間違っておりませんが、正しいLDLコレステロールの解釈ではありません。では、LDLコレステロールを簡単に正しく説明します。

 

コレステロールは不可欠な成分

コレステロールは、すべての細胞の細胞膜の構成成分で、細胞の強度維持のために重要な役割を果たしています。また神経細胞同士を繋ぐ伝導線の役目をする神経軸索という組織の絶縁体として働き、神経細胞から送られる信号を正常に伝えていきます。つまり、細胞の基本的な機能を担うのにコレステロールが必要であり、LDLコレステロールもその一つと言えます。

 

LDLそれ自体は

LDLはリポ蛋白質であり、コレステロールと結合し血液の中に溶けやすくなることによって、肝臓からコレステロールを全身の細胞に運ぶ役割をしています。もし動物の体(細胞群)をビルに例えるなら、LDLコレステロールは、コンクリートの類に当てはまります。建物にコンクリートが必要であるように、体(細胞)を構築するには、その細胞膜などの成分となるLDLコレステロールが必要不可欠なのです。

 

過剰なLDLが問題となる

それではLDLがなぜ悪玉コレステロールと呼ばれているのでしょうか。それは、LDLコレステロールそれ自体ではなく、摂り過ぎてしまったLDLコレステロールということです。体内のコレステロール量が多いと、LDLがコレステロールを全身に運び、血管壁にコレステロールが過剰に蓄積してしまいます。

 

病気からみる国の傾向

肥満の多い国の上位10位が調べられてます※1。そこで血管系の疾患の一つである脳梗塞だけに着目しても、その国別ランキングを見てみますと、肥満ランキングとほぼ一致します※2

それでは、世界で飢餓状態の人口が多い国を見てみましょう。アフリカ、各アジア諸国が厳しい状況に置かれています(※中国のように広大な国土で地域による食料格差がある特殊な状況は除く) ※3。これらの飢餓状態の人口が多い国では、肥満や脳梗塞のランキングには当然入ってきません。

 

ヒトが太り始めたのはここ最近のこと

25万年前にホモサピエンス、つまりヒトが出現したと考えられています※4。この人類の長い歴史において、ヒトが太りやすいということが言われるようになったのはここ100年のことです。それまでは現代ほど食べ物が過剰だった時代はありませんでした。かつて人類が脂肪を体内に貯蓄できる能力は、少ない食料の中での生存のために必要不可欠だったのです。LDLコレステロールは過剰になることはなく、本来の細胞構築の重要な機能で完結していたわけです。ですから、血管の異常による病気は、まさに現代に特有の病気と言えます。

 

現代におけるLDLコレステロールの考え方

LDLが悪玉と呼ばれているのは、まさに現代の人間の生活習慣が前提とされています。現代は十分な食料で恵まれている反面、新しい生活習慣病に悩まされることになったわけですね。その生活習慣病の原因となったのが過剰なLDLコレステロールということが解かってきたため、LDLコレステロールが「悪玉コレステロール」と呼ばれるようになったというのが正しい解釈です。しかし、現代の環境を遥か昔に戻すわけにもいきませんので、ダイエットや食事の改善など、現代ならではの方法で予防していくしかありません。LDLコレステロールを低下させ、LDLコレステロールを除くことに加担してくれるHDLコレステロールを高い比率にしてくれる大変優れたサプリメントも出ておりますので、積極的に使われて健康寿命を延ばしていきましょう。

 

 

参考

※1 肥満症/メタボリックシンドロームの調査・統計  JPALD

※2 世界の脳梗塞 入院死亡率 国別ランキング・推移

※3 世界で飢餓人口の多い国は?

※4 人類の進化  Wikipedia