2022.07.11

砂糖と善玉(HDL)/悪玉(LDL)コレステロールの関係は?

糖分を摂り過ぎることが、健康によくないということは以前からよく言われています。特に砂糖の摂り過ぎが健康の低下に関与しているという調査は多く報告されています。砂糖と言っても色々な種類がありますが※1、ここでは俗にいう白砂糖を指します。この砂糖の摂り過ぎは、血管事故のリスク増加、全身性炎症、腸内環境の破壊、インスリン抵抗性を促進し高血糖を引き起こし、またドーパミンが低下するなど、健康に悪影響をもたらすことが解かっています※2,3
砂糖の摂り過ぎは善玉(HDL)悪玉(LDL)コレステロール値に影響する
最近のコホート研究で遊離糖類(free sugar)の摂取量が心臓血管系にみられる肥満数値に影響しうるかということが明らかになってきました。「遊離糖類とは」単糖類と二糖類のものを指します。ここでは二糖類にあたるスクロース(砂糖)について述べています。
20歳以上の日本人男性(4,071人)と女性(5,794人)の1日加重食事記録データに基づいて推定されました。
砂糖の摂取量は、血圧(男性のみ)と善玉(HDL)コレステロール(HDL-C)レベル(男女)と逆相関し、総コレステロールレベル(女性のみ)と悪玉(LDL)コレステロール(LDL-C)レベル(男女)と正の相関が観られました※4。つまり、砂糖を多くとると善玉(HDL)コレステロールが下がり、悪玉(LDL)コレステロールが上昇するリスクが考えられます。
「砂糖」の摂りすぎはメタボリックシンドロームの要因に
砂糖の摂り過ぎは、メタボリックシンドロームの要因の一つとなりうることは多くの医学データから経験的に解かっておりますが、砂糖と心血管疾患との因果関係については、まだよく解かっていません。しかし、善玉(HDL)コレステロール(LDL-C)上昇との相関性が観られるので心血管系疾患にとって砂糖の摂り過ぎは好ましくないのは言うまでもありません。
普段の食生活で砂糖の摂り過ぎにならないよう心がけましょう
世界保健機構(WHO)では、加工食品または調理に加えられる糖類の摂取量を、一日の総エネルギーの10%未満、望ましくは5%未満にとどめることを推奨しています。
砂糖の量でしたら、ティースプーン5杯分程度(約25g)くらいです。※5, 6
最近は善玉(HDL)コレステロール(HDL-C)を上昇させて、悪玉(LDL)コレステロール(LDL-C)を低下するように働きかける理想的なサプリメントが購入できるようになりました。しかしこれを使用しているからと言って、砂糖をたくさん取っても構わないというわけではありません。普段の生活で甘いものを摂り過ぎないように意識することが大切です。
齋藤先生_背景透過_切り抜き

監修:ナグモクリニック東京院 女性更年期外来担当医師
斎藤 糧三 医師

1998年、日本医科大学卒業後、産婦人科医に。その後、美容皮膚科治療、栄養療法、点滴療法、ホルモン療法を統合したトータルアンチエイジング理論を確立。2008年、「機能性医学」の普及と研究を推進するため「日本機能性医学研究所」を設立。
2013年よりナグモクリニック東京院で栄養外来と女性更年期外来を担当している。
※1 Sweeten the Future KANRO
https://www.kanro.co.jp/sweeten/detail/id=1644

※2 
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4876724/

※3 The depressogenic potential of added dietary sugars
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31634771/

※4 Nutrients. 2020 Nov 25;12(12):E3624. doi: 10.3390/nu12123624.
Association of Free Sugars Intake with Cardiometabolic Risk Factors among Japanese Adults: The 2016 National Health and Nutrition Survey, Japan – PubMed (nih.gov)

※5  e-ヘルスネット甘味(砂糖)の適正摂取方法
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/h-02-012.html

※6 Guideline: sugars intake for adults and children
https://www.who.int/publications/i/item/9789241549028