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骨は私たちの体の基礎となる大変重要な構造要素です-骨がなければ私たちは立ち上がって動き回ることができません。また骨は私たちの内臓などの体の器官を保護するのにも重要な役目があります。高齢化社会では骨粗しょう症が社会問題になっています。それでは、骨の健康について見てみましょう。

 

骨の生物学の基礎

骨は結合組織で構成されており、血球が作られる骨髄の大部分も含んでいます。人体には成人の場合は206本の骨があり、筋肉や関節とともに筋骨格系を形成しています。

主な骨格領域には、頭蓋骨、脊椎、胸、腕、手、骨盤、脚、足があります。私たちの体には、長い骨、短い骨、平らな骨、不規則な形の骨など、いくつかの種類の骨があります。これら骨格は、体を支えて形を作り、脳、心臓、肺、肝臓など繊細かつ重要な器官を保護するのに役立っております※1

見た目とは逆に、骨の形は「固定されたもの」ではなく、継続的に分解、再形成を行っています。生後から10代の終わりまで、骨は破壊されるよりも多くの骨が形成されるため、骨格が作られていきます。ピークの骨量は通常30歳前後までに達成され、年齢を重ねるにつれて、再生量よりも多い骨が破壊され、全体的に骨が減少していく傾向があります。

特定の種類の細胞がこのプロセスに関与しています。骨芽細胞は骨を形成する重要な細胞であり、前駆体である骨形成細胞から作られます。骨芽細胞はミネラル化されたマトリックスを生成し、骨組織の新しい層を作り、骨の密度を高めます。一方、破骨細胞は骨ミネラルを溶解し、体内で使用するためにカルシウムを血流に放出します。破壊の速度が形成の速度よりも高い場合、骨密度が低下し、骨がよりもろくなってしまう可能性があります。

 

骨量減少の問題

世界で1,000万人が患っている骨粗しょう症は、超高齢化社会における重大な課題の一つとなっています。

最新のオーストラリア統計局(ABS)の国民健康調査によると、人口の約3.0%が骨粗しょう症(骨の薄化)を患っています※2。オーストラリア保健福祉研究所(AIHW)も、50歳以上の約10%がこの状態にあると述べています※3。骨粗しょう症になると骨が薄くて壊れやすくなり、簡単に壊れたり折れたりする傾向があります。男性のほぼ2倍の数の女性がこの状態を持っています。2017年から2018年の調査によれば、75歳の女性の29%が骨粗しょう症になっております※2

特に閉経後のエストロゲンの低下は、女性の骨量減少を促進する可能性があります。Better Health Channelによると、骨粗しょう症のその他の危険因子には、低レベルのビタミンDと食事性カルシウム、過剰なアルコールやカフェイン、喫煙、身体活動の欠如、特定の状態と薬物療法などがあります※3

 

年齢ごとに必要なカルシウム

乳児:

人工乳で育てられた乳児は、母乳で育てられた乳児よりも多くのカルシウムを必要とすると推定されています。幼児の骨格組織は絶えず成長しているため、幼児は常にカルシウムを多く必要とします。

10代前と10代の若者:

思春期は急激な骨格の成長が促進されるため、カルシウムの必要量が増加します。この年齢グループはまた、ピークの骨量を構築するためにより多くのカルシウムを必要とします。この時期の間に形成された骨格が十分なカルシウムの摂取で形成され強化されている場合、後の年代での骨粗しょう症のような病気に罹患する可能性が低いと考えられています。

高齢者:

私たちが年をとると、骨格はカルシウムを失います。特に女性は、閉経期を中心とした5年~10年周辺の年齢にさし掛かると、骨からより多くのカルシウムを失います。ただし、男女の両方とも高齢になると骨量が減少するため、食事で十分なカルシウムを摂取してこれらの損失を埋め合わせる必要があります。カルシウムを多く含む食事は加齢に伴う骨量減少を回復させることはできませんが、骨が減少するプロセスを遅くできる可能性があります※4

 

骨減少の性差について

上記でも記載しましたが、75歳の女性の29%が骨粗しょう症になっております※2。 同じ75歳の男性が10%であることに比べるとその差は明らかです。

全体での骨粗鬆症患者は女性に多く、その80%が女性が占めています。これは一生において女性の方が骨量減少の要因が多いためと考えられます。例えば、閉経後に女性ホルモンの一種であるエストロゲンが減少することです。女性ホルモンのエストロゲンには骨代謝のバランスを保つ働きがあります。閉経後はこのエストロゲンの分泌が急激に減少するため、骨代謝バランスが崩れ、骨が減少する傾向にあります。

さらに妊娠や出産でカルシウムを大量に消費することも女性の骨がもろくなりやすい一因です。青年期での妊娠は大量のカルシウムを消費するため特に注意が必要です。

 

骨の健康を維持する方法

加齢とともに骨が失われる可能性が高くなりますが、骨を健康に保つためにできることがいくつかあります。これらには以下が含まれます:

  • 十分な食事からのカルシウム摂取–これは骨からのカルシウムの浸出を防ぎます。その食事メニューには、乳製品、アーモンド、種子、サーモン、青野菜、カルシウム強化食品が含まれます。食事での十分なカルシウムが摂取できていないときは、サプリメントが有益な場合があります。
  • ビタミンD –カルシウムの吸収を助けます。最高の供給源は、日光、サプリメント、およびビタミンD強化食品です。日光への曝露は、皮膚がんから保護するための予防策※5、6とバランスをとる必要もあります。
  • 健康的な全体的な食事–植物性食品と全粒穀物をたっぷり含む食事。
  • 定期的な運動–特に体重負荷運動と筋力トレーニング。
  • その他–アルコールとカフェインを制限し、必要に応じて禁煙する。

 

Better Health Channelによると、骨密度を測定する最良の方法は、骨密度スキャンを行うことです。

骨粗しょう症などの骨の状態は、特に年齢を重ねるにつれて、健康と生活の可動性に大きなダメージを与えてしまう可能性があります。しかし、骨密度スキャンにより骨の健康状態をチェックし、適切な骨の健康対策、あるいは治療を行うことにより、健康な骨を維持できる可能性が高くなります。

 

最後に

私たちの骨は絶えず破壊され、再建されています。骨芽細胞、破骨細胞の働きによる骨代謝の研究は日夜進んでおります。これがどのように機能し、骨の健康を維持していくか今後の新しい知見から目が離せません。

日々の骨代謝の研究により、骨の健康促進のための栄養学的知見、骨粗しょう症治療のための薬の開発、予防のための適切なエクササイズ、予防医学的なサプリメント開発など、多くの有益な情報に繋がると考えられます。健康寿命を高めるため、これらの最新情報から目が離せません。

 

出典:

※1 https://www.betterhealth.vic.gov.au/health/conditionsandtreatments/bones

※2 https://www.aihw.gov.au/reports/chronic-musculoskeletal-conditions/osteoporosis/contents/what-is-osteoporosis

※3 https://www.betterhealth.vic.gov.au/health/ConditionsAndTreatments/osteoporosis

※4 https://www.betterhealth.vic.gov.au/health/healthyliving/calcium

※5 MSDマニュアル プロフェッショナル版

※6 https://www.betterhealth.vic.gov.au/health/healthyliving/vitamin-d