
善玉コレステロール(HDL)は血管の掃除屋さん!
コレステロールは、水に溶けないので、血液中を移動するためには、特別な運搬車を使用しなければならない。LDLとHDLがまさにコレステロールを載せて移動する運搬車に該当する。
ところが、この二つの運搬車は、役割が全く違う。LDLは、細胞や組織にコレステロー ルを運ぶ役割があり、HDLは使い切った残りのコレステロールを肝臓に戻したり、体外に排出する役割がある。LDLはコレステロールを積み上げ、HDLはコレステロールを取り除く役割があると考えると理解しやすい。
HDLコレステロールは、このようにコレステロールが溜まらないように、体の外に排出する 唯一のパスであるため、各種心脳血管疾患を予防してくれ、「善玉コレステロール」または 「血管の掃除屋」と呼ばれる。ところで、最近、様々な研究を通して、喫煙が善玉コレステロール(HDL)に悪い影響を及ぼし、逆に禁煙をした場合はHDLのレベルが上昇することが確認された。
非喫煙者>過去喫煙者>現在の喫煙者の順に善玉コレステロール(HDL)のレベルが低い!
韓国の成人男性6,799人を対象に、喫煙と血中HDLコレステロール濃度との関係を分析した結果、タバコを吸わない人よりも、現在もタバ コを吸っている人の方が、低HDLコレステロール血症の有病率が最大 4.6%まで増加することが分かった。
低HDLコレステロール血症とは、善玉コレステロールの数値が、 40mg / dl未満の場合をいう。
また、喫煙の時期に応じて、現在の喫煙者∙過去喫煙者∙非喫煙者に分 けたとき、現在の喫煙者は31.2%が低HDLコレステロール血症の患者 であったのに対し、過去喫煙者と非喫煙者の場合は、低HDLコレステ ロール血症の有病率は、それぞれ28.8% 、26.6%となった。
つまり、タバコを吸っていない人よりも、タバコを吸った人々の場合 は、善玉コレステロール(HDL)の数値が低く、過去にタバコを吸っ ていた人よりも、現在タバコを吸っている人の善玉コレステロール (HDL)の数値が低いことが明らかとなった。
禁煙すると善玉コレステロール(HDL)は再び良くなる
もしそうなら、今でもタバコを止めるとコレステロールが良くなるだろうか?
答えは「イエス」である。最近の研究では、タバコを禁煙した場合は、コレステロールは再び回復することができるという事実が明らかになった。
ウィスコンシン大学医学部アダムギャップナー(Adam Gapner)教授チームは、喫煙とコレステロールとの相関関係を確認するために、1,500人以上のアメリカ人の喫煙者を募集して禁煙プロジェクトを実行した後、コレステロールと健康の変化を観察した。
研究開始前、参加者は一日平均21本のタバコを吸い、多数の参加者が平均BMI 29.6で太り過ぎの状態だった。
1年後、参加者の36%に相当する336人が禁煙に成功し、そのうちの平均5%に相当する人々から2.4(mg / dL)の善玉コレステロール(HDL)増加が観察された。
タバコをたくさん吸っていた人々の場合も、少ししか吸っていなかった人々のように禁煙後善玉コレステロール(HDL)増加利益が現れ、女性は禁煙後の善玉コレステロール(HDL)増加の効果がより強力だった。
禁煙を介してコレステロール値を回復することができる青信号であるわけだ。この研究結果は、米国心臓ジャーナル(American Heart Journal)1月号に発表された。
禁煙時の体重増加に注意しなければならい
健康増進やコレステロール値の調整のために禁煙を選択する際に、注意すべきこと。 それはすぐに、体重増加に注意しなければならないという点である。 上記の研究では、喫煙群が平均1kgの体重が増加したことに比べて、禁煙に成功した人々の体重は約4.5kg増加した。 体重増加は、善玉コレステロール(HDL)値を下げ、悪玉コレステロール(LDL)値を高める。 たとえコレステロール調節のために禁煙をするとしても、体重が増加した場合、最終的に努力が無駄になることもありえるという意味である。 この研究を率いたギャップナー(Gapner)教授は、「禁煙期間中は、健康的な食事と定期的な運動について専門家と着実に相談することが非常に重要である」と述べた。 |
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