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平成27年に厚生労働省が実施した「国民栄養・健康調査」によると、 日本人全体の1日の平均睡眠時間は男女とも、「6時間以上7時間未満」と答えた人がもっとも多く、 それぞれ33.9%、34.2%なっています。

「健康のために睡眠時間は7~8時間が理想的」ともいわれていますが、それよりもかなり短くなっているのは、忙しい現代人の宿命でしょうか。

そして、平均睡眠時間が「6時間未満」の人の割合は年々増加しています。 男女とも40代でもっとも高く、それぞれ48.5%、52.4%になっています。

また、睡眠で休養が十分にとれていない人の割合は20.2%で、 こちらも明らかに増加していることがわかりました。

年代別にみるとやはり40代でもっとも高い30.9%になっています。

年齢によって必要な睡眠時間は変わってくるともいわれていますが、 以上の結果からすると、男女ともに公私ともに多忙を極める40代では、 質と量ともに十分な睡眠が摂れていない人が多いようです。

この年代になると、中年太りでウエストやお腹まわりに余分な脂肪がつき始め、血圧や血糖値、血中コレステロール値が上がって、いわゆるメタボリックシンドロームやその予備軍が増えますが、実は、睡眠不足がこうしたことにも悪影響を与えているようなのです。

 

英国リーズ(Leeds)大学の研究チームが、大人1651人を対象に、睡眠時間と血圧、血糖値、コレステロール値、甲状腺機能との関連性を研究した結果を発表しました。

それによると、1日の平均睡眠時間が5.9時間の人は、8.4時間の人に比べて、腰回りが4cm大きく、BMI(ボディマス指数)も1.5程度高いことが分かりました。

つまり、睡眠時間が短い人は、肥満する確率が高かったということです。

 

また、睡眠時間が短い人は、血糖値と炎症の指標が高かったのに対し、健康に役立つ善玉コレステロール(HDL)の数値は低いという結果が出ました。

善玉コレステロールには、血管の中の余分なコレステロールを肝臓に戻したり、体の外に排出させて血管をきれいにしたりする働きがあります。

さらに、HDLにはさまざまな抗酸化作用をもつ酵素が付いていて、血管の老化や炎症を抑えるなどの機能もあることが知られているのです。

睡眠不足が肥満の確率を高め、血糖値やコレステロールの数値にも悪影響を与える以上、メタボリックシンドロームのリスクを高めることも予想できます。

メタボになると、心血管疾患のリスクが2倍以上高くなり、糖尿病の発症率は10倍以上高くなることが知られています。

実際、大人の13万3千608人を対象に、睡眠時間とメタボリックシンドロームの関係を分析した研究発表があります。

これによると、男性の場合、睡眠時間が6時間未満の場合は、6〜8時間眠る人々に比べて、メタボリックシンドロームのリスクが、1.12倍高かったことが分かりました。

女性の場合は、睡眠時間が10時間以上と過度に長いと、メタボリックシンドロームのリスクが1.4倍まで高くなることが分かりました。

さらに、メタボリックシンドロームの疾患別に見ると、

  • 高中性脂肪血症が1.41倍、
  • 低HDLコレステロール血症は1.24倍、
  • 糖尿病は1.39倍
  • に増加することが確認されています。

この研究を主導したガンデフイ教授は、「睡眠時間が不足すると、耐糖能を落として、高血圧や糖尿病のリスクを高めると思われる。逆にあまりにも長い睡眠は、インスリン抵抗性と脂質異常症、ホルモンの不均衡などの問題を引き起こす可能性がある」と述べています。

 <メタボリックシンドロームを予防する生活習慣>

  1. 運動習慣をもつ
  2. 炭水化物は少なく、タンパク質を多く摂取する
  3. ビタミン、ミネラル、食物繊維を多く摂取する
  4. お酒を減らし、タバコをやめる
  5. 十分な睡眠を摂り、ストレスを減らす