ポリコサノールとは

2020.10.01

ポリコサノールとは?

ポリコサノールという単語は1992年キューバ国立科学研究所が発表した臨床試験研究で初めて言及されました。

*「原発性高コレステロール血症患者へのポリコサノールの効果及び安全性」Curr Ther Res Clin & Exptl 1992

高コレステロール血症患者56人を対象に、8週間、サトウキビの葉と茎の表皮から採れるワックスから抽出されたポリコサノール5㎎を摂取させた結果、総コレステロールと悪玉コレステロール値が下がり、副作用もありませんでした。

この研究論文が人の健康に役立つポリコサノールの可能性が確認された科学的エビデンスの始発となります。

出所 : Efficacy and safety of policosanol in patients with primary hypercholesterolemia. Pons P, Mas R, Illnait J et al, Curr Ther Res Clin & Exptl 1992

ポリコサノールの語源はポリ(Poly)=2個以上、コサノール(Cosanal)=脂肪族アルコールの2つの単語で構成された合成語になります。

コサノールとは動物と植物の脂肪から作られるアルコール成分です。

自然から発生する、あらゆる脂肪族アルコールが2つ以上含まれていれば、すべてポリコサノールと言えます。

現在健康食品で使われているポリコサノールは植物から抽出した脂肪族アルコールがほとんどです。健康食品メーカーはポリコサノールが入っている植物をそのまま粉にしたり液状化にしたりして、植物から抽出したポリコサノールを製造している企業もあります。


いろいろな種類があるポリコサノールは本当に効くのか?

結論から言うと「いいえ」です。

健康食品であれば、含まれているポリコサノールが脂肪族アルコールなのか、どれぐらいの量が含まれているのか、どのように体に影響を及ぼしているのか等の研究結果が伴わないといけません。特に、ポリコサノールは一つの成分を意味している単語ではないため、構成成分を確認することがもっとも重要です。理由はどのように構成されているのかによって、効き目がかなり違ってくるからです。


なぜ、キューバ産ポリコサノールは世界的に認められたのか

土、気温、降水量など自然環境は植物の構成成分に大きく影響します。

昔からキューバは世界最大のサトウキビの生産地で、サトウキビで作られた砂糖の輸出が国の経済を支えるほどでした。社会主義国家であるキューバは所得水準と関係なく、国民に高いレベルの医療サービスを提供しています。しかし、長らく続いている米国との経済制裁により経済状況は悪くなる一方で医薬品もどんどん減っていきました。厳しい状況が続く中、キューバがサトウキビの抽出物を利用した医薬品の開発を進めました。


Materials and Methods

1990年代の初頭、米国がキューバの民主化法を通過させ、貿易と通商が円滑に動かなくなる中で、キューバ国立科学研究所では、「ポリコサノール(サトウキビワックスアルコール)」の効果を実証した論文を発表します。ポリコサノール・サトウキビワックス・アルコールの効果発見以来、約10年間ポリコサノールの活発な研究が行われ、臨床試験が次から次へと発表されます。

キューバ産サトウキビワックスから抽出した物質は8種類の脂肪族アルコールで構成されていて、その成分の含有量の割合が比較的に安定しています。論文のポリコサノール・サトウキビワックス・アルコールの構成成分は2.Materials and Methods表のようになっています。

すなわち、他国のサトウキビポリコサノールの成分はキューバ産ポリコサノールと違うことを意味しています。


ポリコサノールを人が摂取して本当に効果があったのか?

Effects of policosanol treatment on the susceptibility of low density lipoprotein (LDL) isolated from healthy volunteers to oxidative modification in vitro

2000年代に入り、英国や米国、中国からも研究結果で出てきて、2016年からは韓国からも研究結果が発表され、130編以上の論文がありますが、ここではその中の一つの論文を紹介します。

*「ポリコサノールの悪玉コレステロールの酸化的変形に及ぼす効果(2000年)」

ここから確認していきたい論文は2000年に英国のブリティッシュ・ジャーナルに発表された臨床試験の研究です。

出所 : Effects of policosanol treatment on the susceptibility of low density lipoprotein (LDL) isolated from healthy volunteers to oxidative modification in vitro. R Menendez, R Mas et al, British journal of clinical pharmacology. 2000; 50:255-262


Table 2

キューバ産ポリコサノール(サトウキビワックスアルコール)を使用し、28~51歳の年齢の健康な人69人が参加した試験です。喫煙者、アルコール乱用者、慢性および急性疾患、直前の3カ月以内に、抗酸化剤またはビタミンを摂取した人は、参加対象から除外しています。もちろん、研究期間中は抗酸化剤の摂取は禁止しています。

69人の参加者を無作為に3グループに分けた後、自分がどのような薬を飲んだのか知らされてない状況で実験が行われました。参加者によって8週間、毎日の夕食と一緒に1日1回、ポリコサノール5mg、10mg、またはプラセボ(有効成分を含まない見た目や味が同じもの)を摂取する流れになります。

結果は下記になります。


表

ポリコサノール5mgを飲んだグループは、総コレステロールが10.5%減少し、悪玉LDLコレステロールは16.7%減少、善玉HDLコレステロールは9%増加しました。

ポリコサノール10mg飲んだグループは、総コレステロールが12.4%減少し、悪玉LDLコレステロールは20%減少、善玉HDLコレステロールは15.2%増加しました。加えてこのグループは、中性脂肪も9.4%減少しました。

それに対して、プラセボを飲んだグループは、総コレステロールと悪玉LDLコレステロールはむしろ上がっていて、善玉HDLコレステロールは-1.8%減少、中性脂肪は17.6%大幅に増加しました。

この研究では、参加者から採取した悪玉(LDL)コレステロールの酸化の程度も評価する実験も並行されました。

体内で使用済みのコレステロール(悪玉LDLコレステロール)は血管などに残って酸化され、酸化されたコレステロールが血管内膜に積りどんどん危なくなる問題がありましたが、ポリコサノールを摂取したら悪玉LDLコレステロールの酸化過程が抑制された結果が確認されました。


Table 3

試験開始前に、すべてのグループの対象者が似たような数値でしたが、8週後は違いが見えてきます。

ポリコサノールの摂取量が多いほどタイムラグ(反応が起こる前停滞している時間)が長くなることが分かります。逆に転送速度は短くなることも確認できます。
この結果により、キューバ産ポリコサノール(サトウキビワックスアルコール)は、悪玉LDLコレステロールが活性酸素によって過酸化されることを抑制することを意味します。

上記の内容のように、キューバ国立科学研究所の30件の論文からはキューバ産ポリコサノール(サトウキビワックスアルコール)で抽出したポリコサノ―ルが総コレステロールと悪玉LDLコレステロールは低下させ、善玉HDLコレステロールは増加させるという研究結果が一貫して出ました。