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コレステロール値の管理において、皆さんの一番の心配は何でしょうか?それはコレステロールの数値をいかに抑えるかということです。しかし、コレステロールが低すぎるとどうなるでしょうか?今回の記事では低すぎるコレステロールについて考えてみましょう。

私たちは皆、高コレステロールについてよく耳にし、大抵の人は高コレステロールが主な健康上の問題になることを知っています。血流中のコレステロールが多すぎると、動脈内の高レベルな脂肪沈着の蓄積により、心血管疾患を引き起こします。また、これは重要な臓器への血流を妨げ、心臓発作や脳卒中を引き起こす可能性があります。すべての医師は、このような事態のリスクを減らすために低コレステロールを目指すようにアドバイスします。しかし、コレステロールが低すぎて問題になる可能性はあるのでしょうか?それでは見てみましょう。

 

コレステロールとは何でしょうか?どんな働きをしますか?

まず、コレステロールとは何か、それが体内でどのように機能するかを理解することが重要です。

コレステロールは、血流を介して体全体に運ばれる不溶性のワックス状の物質です。私たちの肝臓は自然に私たちが必要とする殆どのコレステロールを生成しますが、それは私たちが何を消費するかにもよります。

世間一般的なマイナスのイメージにかかわらず、コレステロールは身体機能に不可欠であり、それなしでは生活できません。コレステロールは私たちの体のあらゆる細胞に見られ、細胞膜の重要な構造要素です。また、コレステロールは、ビタミンDやテストステロンやエストロゲンなどのさまざまな重要なホルモン、私たちが食べた物を分解するために欠かせない胃酸の製造にも使用されます。

 

良いコレステロールと悪いコレステロールの違い

コレステロールは脂肪とリポタンパク質として知られているタンパク質の顆粒体で体中を移動します。これらには、高密度リポタンパク質(HDL)と低密度リポタンパク質(LDL)の2つのタイプがあります。

LDLに結合するコレステロール(LDL-C)は悪玉コレステロールとして知られています。私たちの体は、肝臓からそれを必要とする体の部分にコレステロールを輸送するためにLDLを必要とします。ただし、血流中のLDLが過剰になると、動脈にプラークと呼ばれるコレステロールが蓄積する可能性があります。

一方、HDLに結合するコレステロール(HDL-C)は善玉コレステロールとして知られています。血中の過剰なコレステロールを集めて肝臓に運び、分解して取り除きます。それは血流の保護メカニズムと考えることができます。

 

 

コレステロール量が低すぎる場合何が起こりますか?

あなたの総コレステロールは、あなた自身の血中に見られるトータルのコレステロール量です。これは、LDL-C、HDL-C、および20%のトリグリセリド(中性脂肪)で構成されます。

コレステロールに関する2013年の健康調査では、オーストラリア統計局は各成分の異常レベルを次のように定義しています。

  •  HDL–一般的に言えば、この数値が大きいほど良いです。38.67mg/dL未満、女性で50.27mg/dL未満は異常と見なされます。
  •  LDL–一般的に言えば、この数値が低いほど良いです。135.34mg/dL以上のLDLコレステロールは異常と見なされます。
  •  トリグリセリド–トリグリセリドレベルは2.0 mmol/L未満である必要があります。

 

しかし、仮にコレステロール数値が低すぎる場合、どんな問題が生じるでしょうか?

当然のことながら、高コレステロールの研究のように低コレステロールの影響についての研究はほとんど行われていないため、まだよく解かっておりません。しかし、この問題についてはいくつかの研究がありました。

ある研究※では、LDLコレステロールが非常に低い場合でも、「ステロイドホルモンと胆汁酸産生の重要な能力が維持されている」ことがわかりました。これは良いことです。

ただし、LDLコレステロールのレベルが非常に低いと、うつ病や不安症(ビタミンA産生の低下に関連している可能性があります)、癌、および妊娠中にコレステロールが低い場合は早産または低出生体重のリスクが高くなる可能性があることもわかりました。ただし、これらのデータにはさらに追従研究が必要です。 通常、コレステロール値が低いことはまずありませんし、それが慢性疾患に関連していることを示唆する証拠は不十分ですが、4〜6年ごとにコレステロール値をチェックしてもらうことで、コレステロール値を知ることが重要です。

いずれにせよ、高コレステロールであることは皆さんの一番の関心事であるはずだし、仮に低コレステロールすぎるという可能性は、あなたのコレステロール数値を抑えるために出来うることの妨げとなっては元も子もありません。ただし、うつ病、不安、または精神の不安定性の症状を感じている場合は、低コレステロールを検討する必要があるかもしれません。

 

※参照:Olsson AG et al. J Intern Med. 2017 Jun;281(6):534-553.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28295777